虫歯になって歯医者さんに行く時、「削るのか?抜くのか?」「痛みはあるのか?」などの治療に関する事以上に気になるのが治療費です。
でも初めて虫歯になった人や、頻繁に歯医者さんで治療を受けていない人は治療費の想像がつきにくいですよね。どれぐらい治療費がかかるのか分からず虫歯があるのに歯医者さんに行きづらくなっている人もいるんじゃないでしょうか。
今回こちらの記事では軽度から重度の虫歯の進行度別にそれぞれどんな治療をして、どれぐらい治療費がかかるのかを詳しく解説していきます。また、セラミックの詰め物、被せ物、金歯、インプラント治療などの自由診療の虫歯治療についても治療費や、高額でも利用したくなるメリットもご紹介していきます。 虫歯の治療費が気になっている人は参考にしてください。
この記事の目次
1.[保険診療の場合]虫歯の治療にはいくらかかる?
虫歯治療は進行度別に軽度、中度、重度と段階があり、それぞれ治療法や費用が異なってきます。以下保険診療での具体的な治療法、費用を詳しく解説していきますので参考にしてください。また治療費の他、初診料や再診料もかかってきますので併せてご紹介していきます。
1-1.初診料、再診料 ※2016年現在
それぞれの歯医者さんで初めて治療を受ける場合、初診料がかかります。料金は国で定められた診療報酬点数表から1点10円で算出されます。
一般歯科での虫歯治療であれば全国共通の234点となり、3割負担の患者さんで¥702が最初の治療時にかかります。ただし最初に受診してから無断キャンセルで1か月以上経過した、治療の間が2か月経過してから再び受診した場合、再び初診料がかかることがありますので覚えておきましょう。
また同じ歯医者さんで再び虫歯治療を受けると再診料がかかります。再診料の点数は45点なので、3割負担の患者さんで¥140となり、こちらは治療のたび毎回再診料がかかります。
1-2.軽度の虫歯の場合
虫歯が歯のエナメル質の内部に侵食している状態です。まだ痛みが出ていない場合が多く見落としがちですが、歯に白く濁った部分が出てきます。
◎費用
¥1,500~¥2,500
◎治療法
この段階で歯医者さんに行けば虫歯になっている部分を削り取り、コンポジットレジンの詰め物を入れるだけの治療で済ますことができます。
※コンポジットレジン:歯科用プラスチック
1-3.中程度の虫歯の場合
虫歯が歯のエナメル質を溶かし下層の象牙質を侵食している状態です。歯に黒ずみが見られ、痛みも感じるようになります。
◎費用
¥1,500~¥5,000
◎治療法
この段階になると治療時に痛みを伴うようになるので麻酔を使用します。基本的には軽度の場合同様、虫歯の部分を削り取り詰め物を入れます。削った部分が大きい場合や、奥歯の詰め物には保険診療では主に銀歯を使用します。
1-4.重度の虫歯の場合
虫歯が象牙質までを侵食し尽くし歯髄にまで及んでしまった状態です。我慢できない激痛があり、さらに進行すると神経が死んでしまいます。
◎費用
¥3,000~¥20,000
◎治療法
この段階にまで達すると抜歯を行うこともあります。歯を残せる場合は歯全体を銀歯や硬質レジンの被せ物で覆うことで対応し、抜歯する場合は部分入れ歯やブリッジを作り治療します。抜歯も保険診療で受けることができます。
※ブリッジ:抜歯した両隣の歯を削り調整し人工の歯を橋渡しのようにして埋め込む治療
※部分入れ歯とブリッジは保険診療でも歯医者さんによって金額が大きく異なる場合がありますので確認が必要です。
2.[保険適応外の場合]自由診療での虫歯治療にはいくらかかる?
保険が適用されない自由診療の虫歯治療を行う場合、患者さんが治療費を全額負担することになるので保険診療に比べ費用が高額になることがほとんどです。
ただし見た目の美しさ、耐久性、ケアのしやすさ、虫歯予防という点においても多くのメリットがあるので自分に合ったものを選べばかかる費用以上に納得度は高くなります。以下詳しく解説していきます。
※保険適応外診療の場合、歯医者さんによって金額が異なりますので、確認が必要です
2-1.セラミックの詰め物、被せ物
保険診療では軽度~重度の虫歯治療でコンポジットレジン、銀歯などの詰め物、被せ物を使用しますが自由診療ではより多くのメリットのあるセラミック素材の詰め物、被せ物を利用できます。
◎費用
セラミックの詰め物:¥30,000~¥50,000
セラミックの被せ物:¥80,000~¥150,000
◎メリット
セラミックのメリットは見た目のきれいさにおいて優れていることが挙げられます。歯の材質と近い陶器などの陶材でできているので白く美しく、詰め物や被せ物をしたところが目立ちません。
コンポジットレジンや銀歯は口を開けた時に目立ってしまうデメリットがあるのでストレス無く歯を見せられることは大きなメリットと言えます。また変色しづらく、汚れも付きにくいのでメンテナンスしやすく虫歯予防の観点からもおすすめできます。
さらに銀歯などの金属でなく陶材という自然素材なので金属アレルギーの患者さんも使用することができます。
2-2.金歯の詰め物、被せ物
自由診療では金歯の詰め物や被せ物も使用することができます。主に金の割合が75%以上の金合金(18k,20k)や、金にプラチナを加えた白金加金と呼ばれるものを使用します。
◎費用
金合金の詰め物:¥30,000~¥50,000
金合金の被せ物:¥50,000~¥150,000
◎メリット
金歯は金属ですが硬さも天然の歯に近いため周囲の歯を痛めることもなく、耐久性もあるので強い力の加わる奥歯などの使用に適しています。
また、非常に錆びにくい特徴があり、整合性が高くズレにくいので虫歯予防にもつながります。
2-3.インプラント治療
虫歯が悪化し抜歯などで歯を失った場合、自由診療ではインプラント治療を受けることができます。歯を失った場所に外科手術で人工歯根を埋め込み、その上を被せ物で覆います。
手術など大がかりな処置が必要となるため保険診療の部分入れ歯やブリッジと比べ治療期間も骨の状態によって3か月~12か月と長く、費用も高額となりますが多くのメリットもある治療法です。
◎費用
インプラント(1歯の場合):¥300,000~¥500,000
※インプラント治療は歯医者さんによって金額が大きく異なりますので確認が必要です
◎メリット
部分入れ歯やブリッジでは歯と歯を針金で固定したり、土台を作ったりするため健康な歯でも削る必要があります。しかしインプラント治療では抜けた歯の部分だけに治療を行うため周りの歯の負担になることなく悪い影響を与えません。
また針金などが露出することもなく、セラミックの被せ物にすれば白くて自然な違和感の無い歯になるので見た目のきれいさ的にもメリットのある治療法です。定期的にメンテナンスを行えば天然の健康な歯同様、長い間使用することができます。また、歯医者さんにもよりますが10年保証等、歯医者さんが責任をもってアフターフォローをしてくれるところもあります。
3.まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事はいかがでしたでしょうか?虫歯の治療費は保険診療と自由診療とでは金額が大きく変わってくることが分かりましたね。
軽度から重度の虫歯では詰め物、被せ物、抜歯などほとんどは保険診療で負担の少ない金額で賄うことができます。セラミックやインプラントなどの自由診療も金額は高くなりますが見た目のきれいさ、耐久性、虫歯予防の観点からも多くのメリットがあると言えます。
治療費が安い高いではなく歯医者さんとカウンセリングのうえ自分に合ったものを選ぶことが重要です。こちらの記事を参考に、納得できる虫歯治療を受けに行きましょう。
出身校:神奈川歯科大学
卒業年月日:2009年3月
2010年 新潟大学付属医歯学総合病院 勤務
2011年 神奈川歯科大学付属横浜クリニック 入局
2013年 斉藤歯科クリニック 院長就任
電話:03-6459-5975
執筆者:
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