必見!虫歯の治療後の食事で知っておくべき3つの注意点

    虫歯の治療をした後にすぐに食事をしても良いのかどうか、治療前に軽く食事を済ませておいたけれども、お腹が空いてきてしまった、でも食べていいのかどうか分からない…という方もいらっしゃるでしょう。

    どのような治療の場合に、どれくらい時間を空ける必要があるのでしょうか。食事までに空ける時間は、治療内容によって異なります。ここでは、虫歯の治療で麻酔を使用した場合と、歯を削った場合の食事について、注意事項をご紹介します。

    また、治療後にお腹が空いてしまって、どうしてもすぐに食べたいという時におすすめのメニューも併せてご紹介しますので、ぜひご参考になさってください。

    この記事の目次

    1.治療後の食事で知っておくべき3つの注意点

    虫歯の治療の後、食事はどうしたら良いのか、知っておいていただきたい注意事項があります。麻酔を使った場合は、切れるまでの時間が治療内容によって変わってきますので、具体的にご紹介します。

    1-1 いつ食事をして良いのか

    麻酔を使用した場合には、基本的に麻酔が切れるまで食事を差し控えます。

    虫歯の治療であれば、2~3時間を目安にしてください。親知らずの抜歯を行った場合は、虫歯の場合よりも強い麻酔を使用していますので、麻酔が切れるまでには3~6時間程度かかります。麻酔の効果は治療後徐々に薄れていきますので、食事はしびれの感覚がなくなり、感覚が戻った後にしてください。

    1-2 麻酔が効いている時の食事控える

    麻酔を使用した場合には、基本的に麻酔が切れるまで食べることは控えた方が安全です。

    通常の虫歯の治療であれば、個人差もありますが、麻酔が切れるまでだいたい2時間を目安にしてください。親知らずの抜歯を行った場合は、虫歯の場合よりも強い麻酔を使用していることが多いので、麻酔が切れるまでには3~6時間程度かかることもあります。麻酔の効果は治療後徐々に薄れていきますので、感覚が戻ったことを確認してから食事をとった方がいいでしょう。

    ・唇を噛んでしまうことがある

    口周りを思うように動かせないので、誤って唇を噛んでしまう可能性があります。うっかり噛んでしまうと、腫れ上がることがあります。また、唇だけでなく頬の内側を噛んでしまう可能性もあります。傷口が割けて出血してしまうなど、意図せず大きな怪我につながってしまうこともあります。

    ・傷ついていても気付かないことがある

    麻酔で感覚がないことから、遊び半分で、爪などでつついたり引っ掻いたりしていると、唇や歯茎に傷を付けてしまいかねません。もし傷ができてしまったとしても、感覚がないため気付かないことがあります。

    ・やけどに注意

    やけどにも注意が必要です。熱さや冷たさが分からなくなっていますので、麻酔が効いている間に水分を摂る際には、熱いものは特に注意を払うようにしてください。

    ・口が思うように動かず、飲食物がこぼれてしまう

    何か食べ物を口に入れようとしても、麻酔が効いた状態だと、口は思うように動いてくれません。思いがけず口の端から飲み物や食べ物がこぼれてしまうことがあります。

    1-3 詰め物をした場合、しみることがある

    虫歯を治療して銀歯を入れた場合、神経が過敏になり、冷たいものが伝わりやすくなります。なので、2~3週間経っても痛みが消えない場合は、歯医者さんへ連絡して事情を説明しましょう。

    2.虫歯治療で歯を削っている場合の食事

    次に、虫歯の治療で歯を削っている場合についてご紹介します。

    ・被せ物や詰め物をした場合、30分程度は食事をしない

    被せ物や詰め物をつけた接着剤がしっかり固まるまでに30分程かかりますので、その間は食事をしないようにします。

    ・仮の詰め物は取れやすく、強度もさほど高くない

    歯を削った後、最終的な被せ物や詰め物が出来上がってくるまでの間は仮のものをしています。仮の詰め物や被せ物は取れやすく、強度もそれほど高くありません。

    従って、おせんべいなどの固いものや、ガムやキャラメルなど、歯にくっつきやすい粘着質のものは避けるようにしてください。仮のものが割れる、欠けるなどして壊れたり、取れたりする原因となります。

    ・仮歯の時も同じように

    また、仮歯の時も同じように、本歯が出来上がってくるまでは、固いものや粘着質のものを避けるようにした方が良いでしょう。仮に、型取りをした時と歯の形状が変わってしまっては、手間ひまをかけて行った治療のやり直しをすることになりかねません。

    ・治療後におすすめの料理

    治療後におすすめする飲食物は、お粥、うどん、スープ類、お豆腐、ゼリーやヨーグルトなどです。固いものや歯にくっつきやすいものを避ければ通常の食事でも問題はありませんが、できれば治療した部分に負担がかからないものにする方が良いでしょう。

    3.どうしても食べたい時には

    それでも、お腹が空いてしまって、どうしても食べたい時もあるかもしれません。そのような時は、治療をした方でない、反対側の方を使うようにしましょう。刺激が少なくてあまり噛まなくとも大丈夫な、柔らかくて食べやすく、消化の良いものを選ぶようにしてください。

    治療で麻酔を使用した場合には、麻酔が切れた後も動きの感覚が鈍っていたり、腫れが完全に引いていないこともありますので、食事の際は少しずつゆっくり時間をかけて行うようにしてください。

    4.まとめ

    虫歯の治療後の食事には注意が必要です。麻酔をしている場合には、2時間前後、親知らずの抜歯をしている場合には3~6時間食事を控えましょう。

    麻酔が効いている間は、思わぬ怪我をしてしまう可能性があるため、食事をするのは避けてください。感覚がないことや、口を思うように動かせないことから、唇や頬の内側を噛んでしまったり、傷を作ってしまっていても気付かないこともあります。熱さや冷たさも感じませんので、熱いものによるやけどにも注意しましょう。

    歯を削っている場合には、その後、詰め物や被せ物をすることが想定されていますので、それまでの間は仮のものが施されています。頑丈にできてはいないことに加え、取れやすいことや外れやすいこともありますので、固いものや歯にくっつきやすいものを食べるのは避けるようにしてください。

    それでもどうしても何か食べたい場合は、柔らかくて食べやすく、消化の良いものを、治療をしたのとは反対側の方で食べるようにしてください。

    せっかく虫歯の治療をしたのですから、治療後少しの間歯医者さんの指示に従うことで、今後は食事をもっと楽しめるようになります。注意事項を忘れずに、虫歯治療と食事の折り合いを上手に取ってください。

    監修日:2016年06月01日
    矢島 昇悟院長監修
    経歴・プロフィール

    経歴
    2007年 第100回歯科医師国家試験合格
    2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
    2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
    歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
    2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
    地域に密着した医院で地域医療に携わり、
    小児から高齢者歯科まで治療を行う。
    2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
    施設の訪問診療などにも携わる。
    2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
    現在に至る

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    執筆者:歯科+編集部

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