歯医者さんの予約のやり方ってどうするのだろう…と悩んでいませんでしょうか。最近では、予約をするのが当たり前の時代であり、予約の電話は緊張するとか、面倒だなぁと思われる方もいるかもしれません。
しかし、コツをつかめばなにも緊張することはありません。かえって予約をすることで治療がスムーズに運ぶことが多いので、初めての歯医者さんでも緊張せず気軽に予約をしましょう。
この記事では、初診でかかる歯医者さんに予約をするときのコツや注意点をお伝えしています。最後には、なぜ予約が必要なのかも説明しているので参考にしてください。
この記事の目次
1.予約前に準備すること
まずは、電話をする前になにを準備しておくとスムーズかお伝えします。
・希望の日時を決める
当たり前かもしれませんが、予約の電話では必ず希望の日時を聞かれます。聞かれてから慌てて考えるのではなく、事前にスケジュールを確認して、希望の日やだいたいの時間(午前中か夕方かなど)を決めておきましょう。
希望日がすでに予約で埋まっていることもあるので、いくつか予備を考えておくとよりスムーズです。
・症状や気になることをまとめておく
痛みのある場所や数、いつ頃からどんな風に痛むのか、クリーニングをして欲しいなどの希望を簡潔にまとめておくと、聞かれたときに答えやすくなります。
また、気になることや質問があれば聞きもらさないようメモしておくとよいでしょう。
・メモを用意する
こちらの伝えたいことを書いておくためだけでなく、歯医者さんからの注意事項をサッと書き留めるためにも、メモや筆記用具の準備が大切です。
2.予約の電話で伝えることは
それでは、実際に予約する際にどんなことを聞かれるのか、どう伝えたらよいのかをご紹介します。
2-1 受診したい人の名前をきちんと伝える
電話をしたら、まずはこちらから「予約をお願いしたいのですが」と伝えます。そのあとは、受付の方に聞かれるまま、名前などを答えてゆけば大丈夫です。ちなみに、お子さんが治療を受けるためにお母さんが電話をする場合には、お子さんの名前が必要です。
電話をかけた人ではなく、あくまで治療を受ける人の名前が必要なので、「治療を受けたいのは◯歳の息子で、〇〇といいます」などと伝えるとよいでしょう。
2-2 初診か再診か
電話では、必ず「当院は初めてですか?」「初診ですか、再診ですか?」などと聞かれます。
歯医者自体が初めての人はもちろん、別の歯医者にかかったことがあっても、その歯医者にかかるのは初めてという方も初診になります。
また、以前その歯医者で治療したのが初診と思えるほど昔であっても、過去に一度でもかかったことがあるならその旨伝えましょう。
古くても診察券があるならその番号を伝えるとスムーズですが、今はパソコンでカルテを管理している病院が多いので、診察券をなくして番号が分からなくても名前や住所、電話番号、生年月日などから診察記録が出てくる場合があります。
情報が残っていればスムーズに予約できるだけでなく、治療の参考にもなりますので、遠慮なく伝えましょう。
初診の場合はとくに、カルテを作るため少し早めに来るようにとか、保険証や小児医療証、高齢者医療証などの必要なもち物を伝えられることが多いのでメモをとります。
2-3 希望の日時について
希望を聞かれたら、準備しておいた日時をもとに答えます。
「◯月◯日のお昼ごろは空いていますか?」
「◯月◯日の◯時〜◯時くらいの間で予約できますか?」
「仕事で◯時以降なら大丈夫なのですが、空いている日にちはありますか?」など、少し幅をもたせた希望を伝えるとスムーズです。
日時は関係なく、とにかく早めに治療してほしい場合には、その旨を伝え、できるだけ早い日時で空いているのはいつかたずねるといいでしょう。
2-4 どのような症状か
症状を聞かれることもあります。痛みがなく、検診やクリーニングが希望の場合にはその旨伝えればよいのですが、痛みがある場合には、
「3日間前から奥歯がズキズキ痛い」
「一週間くらい前から冷たいものがしみる」
など、簡単に症状を伝えると治療計画に役立ちます。
2-5 妊婦さんや、アレルギーのある方は
妊婦さんは、安定期に入れば不安なく歯科治療を受けられます。しかし、投薬や治療を受ける姿勢など、さまざまな注意点があるため事前に妊娠していることを伝えることで不慮の事故を防げます。予約の時に伝えておけば伝え忘れもなく安心です。
薬や麻酔へのアレルギー、糖尿病などの既往症がある方も同様です。とても重要な連絡事項なので忘れずに伝えましょう。
3.予約した日時の都合が悪くなったら
仕事や家庭、体調不良などが原因で、どうしても予約した日時に行けなくなってしまう場合もあります。そんなとき絶対してはならないのが、連絡もせずにすっぽかすことです。また、具合が悪いのに無理をする必要もありません。
もちろん、予約通り来院するにこしたことはありませんが、たいていの場合は日にちを変更できますので、行けないと分かった時点で早めに電話で連絡しましょう。
希望日時を考えたうえで、「予約した日の都合が悪くなったので日にちをずらしてもらいたいのですが。」と連絡すれば大丈夫です。
4.歯医者さんはなぜ予約が必要なのか
内科や眼科などでは初診時の予約は必要ないのに、なぜ、歯医者さんには予約が必要なところが多いのでしょう。大きい理由を2つご紹介します。
4-1 質の高い治療をするため
歯科が他の診療科目と違うところは、ほぼすべての患者さんに対して医師が毎回たくさんの処置をするというところです。
衛生士さんの補助は大きいものの、一回の治療で一人につき最低でも30分はかけるため、医師が1日に担当できる人数はそう多くありません。
一人ひとりに適切な検査をしたのち、治療計画を立て、患者さんに納得されるよう分かりやすく説明し、さらに質の高い治療をほどこすためには、予約をもらって時間を確保しておくことが重要なのです。
もし飛び込みの患者さんを増やせば、予約の患者さんの治療時間がずれたり、治療計画が崩れたりする可能性があるのです。
4-2 待ち時間を減らすため
患者さんの立場からすると、待ち時間が少なくなることが大きなメリットでしょう。予約制の歯医者さんでは、ほとんど待ち時間がありません。その後のスケジュールにひびかないため、スマートで便利です。
もし飛び込みで行って受け入れられたとしても、よほどの急患でない限り予約の患者さんが優先されるでしょう。そのため、後回しにされて長時間待たされたあげく応急処置だけで終わったり、結局後日あらためて治療することになったりするのです。
これではかなり時間をムダにしてしまいます。やはり余裕をもって事前に予約しておくことが大切です。
5.まとめ
いかがですか。初診予約の仕方やコツ、なぜ予約が必要なのかお分かりいただけたでしょうか。予約がうまくいったら、当日は受付で「何時に予約した〇〇です。」と伝えれば大丈夫です。
歯の健康のためには早めの治療が欠かせません。痛みを我慢せず、1日でも早く予約をして歯医者さんへ行きましょう。
経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
執筆者:
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