多くの人が口臭予防の効果を求めてマウスウォッシュを使っていますが、どのような効果があるのか、より効果的に使うポイントとは何かをご存知でしょうか。
今回の記事では、効果やポイントだけでなく、知っておくべき注意点やおすすめのマウスウォッシュも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
1.マウスウォッシュにある4つの効果
まずはマウスウォッシュの効果について見てみましょう。
1-1 口臭を抑える効果
マウスウォッシュは口臭の原因となる口の中の細菌を殺菌する力があるため、口臭予防に効果があります。ただし、胃などの内臓疾患や重度の歯周病などの病気が原因の口臭には大きな効果は望めません。そういった口臭を根本的に治すには、消化器系の病院や歯医者さんへ行くのが先決です。
1-2 歯周病予防の効果
マウスォッシュには歯周病菌を殺菌し増殖を抑える成分が入っているものも数多くあり、歯周病予防に役立ちます。
ただし、あくまでも予防であって、治療ではありません。すでに歯周病になっている人は歯医者さんでの治療が必要です。
1-3 口内炎にも効果的
口内炎は自然に治るのを待つのみと思っている人が多いのですが、殺菌消毒効果を持つマウスウォッシュは、口内炎を治す効果もあるといわれています。
マウスウォッシュは口内炎を悪化させる雑菌を殺し増殖を防ぐため、口内炎の悪化を抑えて回復を早めることができます。
気をつけたいのは、アルコールが含まれた製品はお口の中に対しての刺激が強いということです。まずは少量を口に入れてみて、様子を見ながら使うようにして下さい。
1-4 リフレッシュ効果
マウスウォッシュで口の中がスッキリすると気持ちまでリフレッシュできます。そのため、仕事や勉強のあい間、外出前、イライラしたときや眠気のある時に使う人もいるようです。マウスウォッシュは気持ちを切り替えたいときにも有効なのです。
2.より効果的に使う5つのポイント
マウスウォッシュの効果をより得るためのコツをご紹介します。
ポイント① 正しい歯磨きをしてから
多くの細菌は口の中で寄り集まって、がっちりとスクラムを組み、かたまりとなってネバネバと歯に付着しています。これがプラーク(バイオフィルム)といわれるもので、プラークの内側では数千億もの細菌が活動しています。
マウスウォッシュの殺菌作用は、単体で口の中をさまよっている細菌にのみ効果があるため、残念ながらプラークの内部までは浸透せず、プラークを壊すこともできません。事前に歯磨きで細菌のスクラムを崩す必要があるのです。
歯磨きをせずにマウスウォッシュをしてもプラークに弾かれて効果は半減してしまいます。
ポイント② 舌苔を取る
舌苔(ぜったい)とは、舌の表面にできる白い苔のようなもので、汚れや細菌がたまったものです。治療の必要はありませんが、口臭の原因になります。
舌苔は舌ブラシで軽くこすれば落とすことができます。マウスウォッシュの前に舌苔を取っておくと、より効果的に口臭予防ができます。
ポイント③ 口の中全体にいき渡るように
マウスウォッシュは液体なので、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間の小さな隙間にも行き届きます。
そういう場所にこそたくさんの細菌がひそんでいますから、口のすみずみまでいき渡るよう、まんべんなく四方八方にブクブクするとよいでしょう。
ポイント④ 30分は飲食を控える
マウスウォッシュの後にすぐ飲食したのでは、せっかくきれいにした効果が薄れてしまいます。細菌を増やさないためにも、使用後30分くらいは飲食を控えるとよいでしょう。
ポイント⑤ 朝の歯磨き後が効果的
寝ている間は唾液が減り細菌が繁殖しやすくなります。そのため朝がもっとも口臭がひどいのです。朝しっかり歯磨きをした後にマウスウォッシュを使うと、たくさんの細菌を一気に殺菌できます。
夜寝る前もよいのですが、フッ素配合の歯磨き剤を使っている場合、せっかく歯についたフッ素を洗い流してしまう可能性があるのであまりおすすめしません。
3.知っておくべき注意点
マウスウォッシュは、自宅で簡単に使うことができて便利です。ただし、使い続けるうえで注意したい点があります。ここでしっかり、注意点を理解しましょう。
3-1 ブラッシングの代わりにはならない
絶対に覚えておきたいのは、マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはならない、ということです。
忙しいからと歯磨きをせずマウスウォッシュだけで済ませていると、ほぼ間違いなく虫歯や歯周病になります。マウスウォッシュは、あくまでも歯磨きの後の仕上げとして補助的に使いましょう。
3-2 虫歯や歯周病がある場合は治療してから
虫歯や歯周病がある場合、まずそれを治療しなければマウスウォッシュの効果を最大限に得ることはできません。また、歯ぐきから血が出ているときは、傷にしみてひどい痛みを感じる可能性もあります。
3-3 使いすぎに注意
あまり頻繁に使うのもよくありません。お口の中の粘膜に対しても刺激がありますし、殺菌効果の高いマウスウォッシュは、使いすぎると口の中の必要な細菌まで殺してしまう可能性があるのです。
マウスウォッシュは、歯磨きと同じ1日2〜3回程度の使用にとどめておいた方が良いと思います。
4.おすすめマウスウォッシュ4選
それでは、具体的におすすめのマウスウォッシュをご紹介します。
Con Cool F (コンクールF)
歯医者さんでもよくすすめられる商品です。ピリピリせずやさしい使い心地で、緑茶抽出液によりさっぱりできます。殺菌効果が長時間続くグルコン酸クロルヘキシジンを配合しているため、口臭予防、歯周病予防の効果が長く続きます。濃縮タイプなので濃度を調節できるのも魅力です。
Thera Breath(セラブレス)
口臭予防効果が高いことで人気があり、世界中で長く愛用されている商品です。天然成分をメインに作られており、ノンアルコールでヒリヒリもしません。
ライオンSystema SP-T メディカルガーグル
殺菌力が強く、歯周病予防効果が高い商品です。l-メントールが配合されているので口臭予防にもなります。透明な液体は洗面台を汚しにくいのも魅力です。
Pro Fresh(プロフレッシュ)
口臭対策に高い評価を受け、歯医者さんの口臭治療にも用いられています。
A液とB液を混ぜて二酸化塩素を発生させ使用しますが、二酸化塩素は殺菌作用がありながら人体に危険性がないとされています。安心して使える強い味方です。
5.まとめ
いかがでしたか。マウスウォッシュを正しく使えば、口臭などのお口の悩みを早めに解決できるかもしれません。この記事を参考に、ぜひマウスウォッシュを試してみてください。
経歴
2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る
執筆者:
歯科+では、読者の方々のお口・歯に関する”お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。